HEROたちのこと

私にとってのヒーローたちのことをつらつらと

ルパパト49話

42話の共闘を超えるWレッドはもう見れないんじゃないかという視聴者の顔を全力でビンタしてきた神回49話。

 

49話を観て、本当にルパパトを見続けてきて良かったと思った。

ブログを開設したのもこの49話に対して沸き上がったまとまらない気持ちをどうにか言葉として残したいと思ったから。

 

ルパパトは同じ世界観の中に2つの戦隊がいる。それぞれの戦隊にはそれぞれの目的がありそれぞれの手段で願いを叶えようとしている。そしてルパパトのストーリーの根幹はWレッドである。また、あくまでもVSであるということ、快盗と警察は相容れない存在であるということ。これが崩れてしまうとスーパー戦隊シリーズ初の戦隊VS戦隊をやる意味がない。

 

49話は快盗の素顔がバレたとき、ルパンレッドの正体が夜野魁利だったとき朝加圭一郎はどうするのかっていう大きな山場の回。誰もが想像してきたであろう圭一郎の反応は注目すべき点だと思う。

45話のクリスマス回で圭一郎が快盗の正体に感付いたときから48話でルパレンが仮面を外すまで、圭一郎の口数があまりにも少ないことに なぜ? と思ってた。初美花ちゃんのことが好きな咲也は必死で否定していた。そりゃそうだ、行きつけの店の好意を寄せる店員がずっと自分が追い続けてきた快盗だなんて信じたくないはずだ。感情的にもなる。あんなに魁利のことを気にかけて、ときには実力を行使して突っぱねられたり拒絶された間もずっと見守っていたりした圭一郎が、魁利が快盗だと知って何も思わないはずがない。ただそれに対する圭一郎の言葉は「それとこれとは別だ」のひとこと。

 

そして迎えた49話。

朝加圭一郎は怒っていた。ずっと騙してた魁利に対してではなくずっと気付いてあげられなかった自分に対して。もっと頼れる警察官だったら力になってあげられたんじゃないかと。あー、そうか、これが朝加圭一郎だ。なぜ俺に言わなかった!?と相手に詰め寄るんじゃなく自分自身の力不足を責めるんだ。ブレてない。ずっとブレてない圭一郎は。

快盗であることでパトレンを騙してることに初美花が限界を感じて辛くなってたけど、それよりもずっと限界を感じてたのは魁利だった。ルパンマグナム回でアルセーヌに試されたとき、魁利の見る勝利の幻影に暗い道じゃなく明るい道を胸張って歩いてくれって言わせたみたいに、圭一郎にも快盗という手段を選んだ自分を正体明かした上で否定して欲しかったんだ。

そしてWレッド2回目の邂逅。

一度目は魁利が見つけに行って、二度目は圭一郎が見つけ出した。Wレッドは運とかに頼らずに実力行使でお互いを探し出すんだね。圭ちゃんならここにいる、魁利くんならこうするって。はー。はぁーーー(長い溜息)

42話のデストラ戦が本当に胸熱で好きなんだけど、あそこでルパンレッドの意図を理解できたのが圭一郎だけで、それを実行できるのも圭一郎で、ビークル奪い返したあとふらついたルパレを掬い上げるパトレン1号が最高なんだよ。だから透真も初美花も倒れた今自分しかいない一人で願いを叶えないとって暗闇でもがく魁利を掬い上げたのが圭一郎なの泣くしかないでしょ。で、このあとの圭一郎の言葉で初めて朝加圭一郎がどんな人間なのか分かった気がした。今までも分かってるつもりだったけどここまでかと。朝加圭一郎は世界の平和を守る"警察官"という立場に憧れてなったんだと思ってて、それは確かに小学生のころの圭一郎には真実だったんだろうけど、圭一郎にとって警察官っていうのはただの手段だったんだ。圭一郎の願いは事件も何もない平和な世界。圭一郎の使命は苦しんでいる人を救うこと。それが出来る最適な選択肢が警察官でいることだったんだ。魁利も大事な人を取り戻すための手段として快盗という道を選んだ。それが今できる最善で唯一の方法だから。

警察官という立場にある圭一郎にとって快盗は犯罪者であって逮捕対象。"どんな理由があろうとも快盗という手段を選ぶことは間違っている"し、快盗と手を結ぶことは出来ない。でも「胡散臭かろうが任務で対立しようが助けない選択肢はない」ってノエルに言ったように、大事な人をギャングラーに奪われて取り戻すために苦しんでいる魁利が目の前にいて助ける以外の選択肢はないんだって。だから警察官である朝加圭一郎の立場が魁利を救う足枷になるのなら警察を辞めるとまで言えるんだ。なんてこった。朝加圭一郎が私の想像を超越するほどの朝加圭一郎で眩暈がする。圭一郎の中で矛盾はない。1話からずっと信念を貫いてきた。凄い。凄いわ朝加圭一郎。

そんで圭一郎の背中を押す魁利が、晴れやかな顔してるの。君の力になりたいと言われて思わず突き飛ばしちゃったときとは違う柔らかい拒絶。魁利がずっと出来のいい兄や清く正しい圭一郎に対して感じてきたコンプレックスとか後ろめたさが溜まって自分で自分にかけた呪いみたいなものが一気に霧散したような。暗闇にいた魁利に朝がきた。圭一郎の決意が、ずっと兄のようになれない自分や圭一郎のように正しい道を歩けなくて葛藤していた魁利にひとつの答えをくれた。俺は圭ちゃんみたいになれないし、圭ちゃんも俺みたいになれない。

そ"う"だよ"!君"は"出"来"損"な"い"な"ん"か"じゃ"な"い"よ"!!君"は"君"に"し"か"でき"な"い"や"り"か"た"でお"兄"さ"ん"を"助"け"る"ん"だよ"!!!(号泣)

圭一郎はそっち側(警察)にいてたくさんの人を助けて、俺は快盗として大事な人を取り戻す。快盗として、警察として。これが1年かけて描いてきた朝加圭一郎と夜野魁利のWレッドとしての在り方なんだとしたら完敗だわ。ルパパト凄い。

またこの一連のシーン、夜明けから朝焼けの中で二人の本音がぶつかり合うのエモエモのエモすぎて密度が凄い。最初は昇ってきた太陽に背を向ける魁利が、圭一郎の背中を押すときは太陽の方向いて光に包まれてるの最高じゃないですか。何度観ても素晴らしい。

 

43話のノエル疑惑回からギャグ回を挟みつつもかなりしんどい展開に精神を削られながら年を越して子ども向け番組なのに何このクソ重いの最終回まで生きてられるかなとか本気で思ってたけど49話でフッと気持ちが軽くなった。圭一郎は辛いかもしれないけど、立ち止まってないから。魁利に背中押された圭一郎が叫びながらも自分のいるべき場所に走っていってくれたから。

 

あとこの回のビクトリールパンカイザーの登場シーンがアホほどかっこよくてね。ドグラニオ様が放つ炎の中からヌッ…て現れるのとかそのあとのゥォーンっていうロボ音が地味にかっこよくて好き。あと最後のルパンレッドとザミーゴの変身。なにあれかっこよすぎて白目剥いた。

 

あと2話。まだまだしんどいのと重いのの繰り返しだろうけど、ザミーゴとドグラニオを倒して大事な人を取り戻してみんなが幸せになってと祈るしかない。みんなだぞ。